釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

日本人がオールドタックルが好きな理由。

アブだフェンウィックだと、古くさい道具で魚を釣るのが趣味の人が、日本の釣り人の中にはいます。
私もちょっとはこの種類の釣り人の中に入るのかもしれませんが、こういった釣りをしているのは、世界的にはちょっと珍しい釣り人のようです。

海外にも多少は古い釣り具のコレクターのような人達はいるようですが、日本のように一つの釣りのジャンルとして確立され、ある程度の数の愛好家がいて、カスタムパーツまで製造されているというのは、レアなケースでしょう。

 

f:id:nyandaro:20210429131456j:plain

このように日本人にオールドタックル好きが多い理由の一つとして、「日本でルアーやフライが流行しだした70年代は、現在オールドタックルと呼ばれているような舶来の釣り具は高級品であり、なかなか買えるものではなかった」ということがあると思います。

例えば、昔のアブのリールの値段を見てみますと、2~3万円程度だったりします。
現在では、この価格は中級品程度の値段かもしれませんが、当時の物価を考えてみると、かなりの高級品だったはずです。
ちょっと調べてみると、70年代後半の大卒初任給は9万円程度だったです。
今ほど大卒がいなかった時代ですから、これより少ない給料の若者が沢山いたはずであり、そういった人達が海外メーカー製の高価なリールを買うのはかなり難しかったでしょう。

 

f:id:nyandaro:20210429131814j:plain

そういった人達が、歳をとりお金に少し余裕が出てきた時に、昔憧れていたけれども買えなかった物が、物価を考えれば昔ほど高くないものとなっていたら、当然欲しくなってしまうのではないでしょうか。

このように「昔欲しかった物を手に入れたい」という願望が、意外と簡単にかなってしまうという状況が、日本でオールドタックルが好きな人が多い理由の一つなのではないでしょうか。

 

f:id:nyandaro:20210429132052j:plain

一方で、欧米では昔日本で高級品だったタックルは普及品であり、昔からそこら辺にありふれていたはずで、わざわざ憧れるようなものではなかったのかもしれません。
ですから、オールドタックルは、ごく一部のマニアを除いては、ただの古い釣り具としか見られておらず、日本ほどの人気はないのかもしれません。

海外オークションなどを覗いてみますと、物によっては日本とは0が一つ違うような値段で取り引きされているオールドタックルを見つけられます。
こういった物を転売して稼いでいる人もいるようですから、やはり日本人のオールドタックル好きは特別なようです。