アブのルアーというものは、ちょっと個性的な物が多い気がしますが、ハイローというミノープラグもとても個性的なルックスと仕組みをしています。
今回は、そんなハイローについてのお話です。
ずんぐりボディ。
ハイローはずんぐりとした円柱形のボディをしています。
これだけ体積が大きいので結構な重量があり、よく飛びます。
15センチのマグナムサイズの物は40グラムもあり、ヘビータックルでも扱いやすく、昔から大物狙いの人には、かなり人気があるようです。
ただ、そういった人達が欲しがっているのは、ウッド製のオールドの物であり、なかなか入手しにくくて苦労しているようでもあります。
さて、このずんぐりとしたボディのお陰か、ハイローはゆっくりリトリーブしても、大きなウォブリングアクションをします。
じっくりブリブリとスローリトリーブで誘えるルアーになっているわけです。
アブの本国のスウェーデンでは、主にパイク釣りなどに使われているルアーだと思いますが、日本ではイトウ釣りのイメージが強いルアーです。
また、昔の著名な日本の釣り人が使っていたので、ロシアやモンゴルのタイメン釣りのイメージも強いと思います。
いずれにしても、大物釣り用のルアーのイメージが強いということになりますが、意外と小さなサイズの物もあり、他のトラウト類やバスやシーバスなどにも使えるのではないでしょうか。
また、フローティング、シンキング、ジョイントといったバリエーションもあり、様々な状況に対応可能になっています。
可変リップ。
このハイローは、なんとリップがカチカチと動いて角度を変えることができます。
この可変リップが役立つのは、基本的にフローティングのものとなるでしょうか。
水面に垂直に近い状態までリップ開けば、ほとんどルアーが潜らなくなり、水面に引き波を縦ながら泳いでくるウェイキングミノー的な動きをします。
ここから、リップの角度を狭めていくほど、ルアーは深く潜るようになっていき、アクションも変化します。
こうして、水面から水中まで広いレンジを攻略できるから、ハイローという名前になったのかもしれません。
とは言っても、このルアーの可変リップを活用している人は、あまりいないかもしれません。
それは、リップの角度をカチカチと色々と変えてみると分かるのですが、「いい感じだ。釣れそう」と思えるアクションをするのは、一番閉じた状態から数えて2番目か3番目のポジションしかないのです。
そのあたりが、標準的なミノープラグのリップの角度でもあるわけで、基本的にはこの角度で使うのが一番良く、水面を引いたりするのは、トップウォータープラグを持っていないが水面を攻めたい時などの緊急事態くらいしか出番は無さそうです。
以上のように、ハイローはとても個性的なルアーとなっています。
最近はあまり日本では売られていませんが、今でも現役のルアーであり、長年売られているものなのですから、それだけ魚が釣れるのでしょう。
ただ、私自身は、それなりに使用してみたものの、まだハイローではイトウもタイメンも釣ったことがありません。
全くリアルさのかけらもないデザインですが、良い感じに泳いでくるので、釣れてもおかしくないはずなのですが。