同じ釣り場で見かける釣り人でも、その人の持っている荷物の量は、実に様々な気がします。
タックル以外には何も持たず、ほぼ手ぶら状態の人から、大きなバッグを満載にしていて色々な物を持ち歩いている人までいます。
そして、なんとなくではありますが、持ち歩いている物の少ない人ほど、よく魚が釣れている気がします。
あれこれ持っていても、しょうがない。
持ち物が少ない人というのは、釣り方に迷いがなく、何をするのかだいたい決まっているから、あまり物を持っていないのだと思います。
「どんな状況でも、これだけあれば対応できる」という最低限の物しか持っていないのでしょう。
考えてみれば、一度に投げられるルアーやフライは一つだけです。一度に使えるロッドも一本だけですし、リールも一つだけです。
あまり大量に物を持ち込んだって、とうてい使い切れるものではなく、ほとんどの物が無駄に荷物の重量を増やすだけになるはずです。
そのような必要のない物を判断できるということは、ある程度魚を釣った経験があり、釣り慣れた人ということになるのでしょう。
ですから、持ち物の少ない人がよく釣れるというより、よく釣れる人は持ち物を少なくできると言った方が良いのかもしれません。
一方で荷物の多い釣り人というものは、本当に必要な物を判断できるだけ、魚を釣った経験がない人なのでしょう。
「あれも良いかもしれない、これも必要になるかもしれない」と、あれこれと物を釣り場に持ち込んでしまうことになるのは、釣りに対する自信や確信の無さの表れなのかもしれません。
そして、魚を釣る経験が増えるごとに、「これは要らないな」と家に放り投げて置いてくる物が増え、徐々に荷物が少なく身軽な釣り人に進化していくのでしょう。
たまに、一本のロッドと一種類のルアーやフライだけで、小魚から大物まで何でも釣ってしまう信じられないような人がいますが、あれこそが釣りを極めた状態なのでしょう。
本当に釣りが上手な人は、沢山の釣り具を必要としませんし、何でもその場にある物だけで釣ってしまうのでしょう。
あれこれこだわって、タックルを選んだりしているうちは、まだまだなのかもしれません。
そう考えてみると、竿さえ必要としない手釣りを行っている人などは、釣り具を買い漁っている釣り人達よりも、ずっと釣りが上手な究極の釣り人なのかもしれません。