釣りにゃんだろう

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『何が釣れるんですか?』 と聞かれた時には、どうするべきなのか。

先日、奥日光の湯川で釣りをしていると、観光客らしきお姉さん二人組が、「何が釣れるんですか?」と声をかけてきました。

よくもまあ、胸まである変な履き物を掃き、サングラスをかけてハットを被った、怪しげな風貌をした私に話しかけてきてくれたものだと思いましたが、川辺のあちこちにそんな怪しげな人が立っているのが、どうしても気になることだったのでしょう。

私は、怖い人だと思われないようにサングラスを外してから、その人達と話すことにしましたが、まず何と答えて良いのか、一瞬考えこんでしまいました。


「何が釣れるんですか?」に対する最適な答えは。

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私が釣っていたのは、北米原産のブルックトラウトという魚です。
しかし、そんな一般人にとってはマニアックな種類の魚の名前を言ったところで、お姉さん達には意味不明でしょう。

では、もうちょっと大きな括りでトラウトと答えるのは、どうでしょうか?
これも釣りをする人以外には、何のことやら分からない可能性が高いです。

こうなったら、さらにトラウトを和訳してマスと答えるしかないのではないでしょうか。
マスと言うと、我々釣り人はサクラマスのような遡上魚のことを想像しがちですが、一般人に分かるこれ以上のブルックトラウトを指す言葉は見つかりません。

 

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以上のようなことを、私はサングラスを外しながら考えてから、「マスですね」と答えました。

すると、お姉さん達は「あら、マスですって」と言うので、まあなんとなく疑問は解決されたようです。

それから「よく釣れるんですか?」と、聞かれてしまったので、私はまだその時点では一匹しか釣れていなかったのに、見栄を張りまくって「まあまあですね~」と答えてしまったのでした。

 

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このように、釣りをしていると通行人などから「何が釣れるんですか?」と聞かれることは、釣り人なら誰でも経験したことがあるのではないでしょうか。

今回のブルックトラウトは、かなり難易度の高い答えだと思いますが、大部分の釣りの対象魚は、誰でも知っているような魚ではないわけで、何と答えれば良いのか困ってしまうことも少なくないでしょう。

 

誰でも知っている魚の名前というものは、非常に限られていると思います。
コイとかタイとかブリとかサケとか、その程度のどメジャーな魚だけでしょう。
スズキあたりでさえ、知らない人は多いはずです。

釣りは、そんなどメジャーな魚以外の魚を釣っていることがほとんどであり、「何が釣れるんですか?」と聞かれても、その人が理解できるように答えるのは、なかなか難しいはずです。

 

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間違っても「シーバス」なんて、釣り人が作った造語で答えてはいけませんし、「フッコ」なんて出世魚の微妙な段階の名前で答えても、理解してもらえないでしょう。
釣っているのが、フッコサイズのシーバスでも、「スズキって、分かりますか?…」と控え目に答えるのが良いはずです。

 

これで「あー、スズキ!こんなところで釣れるんですか?」と言ってくれれば良いのですが、「うーん分からない」と言われたら困ってしまいます。
「ググってください」とも言えないですし、「白身のお魚で、刺し身とかお寿司にもたまになってるんですが…」など、なんとか一般人にも分かりやすいように説明するしかありません。

こうなってしまうと、「ここで釣れた魚、食べられるんですか?」などと聞かれてしまうかもしれません。
「いや、食べないで逃がします」なんて答えてしまえば、「じゃあなんで釣りしてるんですか?」などと言われ、会話はさらに混迷を極めていくことになるのです…

 

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このように「何が釣れるんですか?」と聞かれた時に、精一杯気を使って答えても、なかなか相手に分かってもらえないことも多いかもしれません。

我々釣り人ができることとしては…

釣り人にしか分からない呼称は使わない。
細かい魚の種類は気にせず、「○○の仲間」というように、できる限り一般的な魚の名前を使う。

という程度のことでしょうか。
まあ、これからも釣り人は、背後からの一般人の視線と質問に怯えながら、釣りをしていくしかない運命なのでしょう。