近頃、中古品の高番手のダブルハンドのフライロッドというものは、とても安く取引きされている傾向があります。
ほとんど使われていないような物や、まだまだ使えそうな状態が良い物でも、9番以上のロッドは、それ以下の番手のロッドよりも、かなり安い額でしかオークションやフリマアプリでも売れていません。

こうなっているのは、ひと昔よりもライトなタックルが使用されるようになり、使う人がほとんどいなくなったからでしょう。
昔は、サクラマスなんかを釣るのに10番ロッドが使われたりしていたようですが、今となってはオーバーパワーでしかないでしょう。
今は、誰でも簡単に遠くまで投げられるラインもありますし、あらゆる釣りにおいて、昔よりも短くライトなロッドで充分になっています。
バカ長くてヘビーなロッドの必要性はほとんどなくなったので、売りに出されるばかりで、欲しがる人はほとんど居ないので、安くなっているということでしょう。

それから、フライをやっている人達が高齢化して、高番手のロッドを扱う体力がなくなったのも原因だと思います。
ダブルハンドロッドでの釣りは、上手く扱えば力の要らない楽な釣りですが、さすがに高番手になると、ちょっと疲れるものです。
あんなものを川に浸かって一日中振り続けるのは、高齢者にはしんどいものでしょう。
ですから、不要になった人が売りに出すばかりで、買いたい人はろくにいないのだと思います。

そんなわけで、10番とか11番みたいなロッドは、とにかく安く買えるのですが、これは今でも使いたい人にとっては、とても喜ばしい状況かもしれません。
そうは言っても、大きな川でイトウを釣るとか、海でサケやアメマスを釣るくらいしか、国内では使い道はないかもしれませんがね。