ちょっと前に元ラグビー選手の五郎丸さんが、キハダマグロを釣る番組をテレビでやっていましたが、その番組では魚を取り込む瞬間が全く流れないのでした。
キハダが水中から上がってきて水面に見えると、次には魚を抱えている場面に変わるのです。
釣りに詳しくない人がみたら、ちょっと変だな思うだけかもしれませんが、釣り人である私が見ると、どうしてこうなっているのか、すぐに分かりました。
それは、ギャフを使ってランディングしているからです。
魚が上がってきた時点で、毎回船長か誰かがギャフを構えています。
そして、魚を抱えている場面では、よく見ればギャフをぶっ刺した跡が魚体に確認できました。
こういった状況から察するに、ランディングの瞬間にギャフをぶっ刺す場面や、魚から血が出ている場面は、意識的にカットされていることが分かりました。
おそらく、血がドバッと出たり、魚が確実に死に傷つくようなギャフを使う場面は、批判されることが多く、テレビでは流しにくいのではないでしょうか。
また、キハダが釣れる度にギャフをぶっ刺しているということは、リリースをしていないということですから、それが分かりやすくなるのを避けたかったのかもしれません。
近頃は、海でも魚のリリースが奨められることが増えていますから、ギャフを使って何匹も殺していたら、批判されることは間違いないでしょう。
こんな風になんとか批判を逃れるために、ランディングの瞬間を流さないという不自然な編集になっていたようです。
テレビで流せないことをするなら、そもそもしなければいいのに、と私なんかは思ってしまいますが、こういったことって最終的には船長の判断なのでしょうしね。
船長が、魚をギャフでぶっ刺してでも確実に獲るぞという方針なら、それに従わざるをえないのでしょう。
私は海釣りはしないので、どれくらいの確率でキハダなんかのルアー遊漁船が、ギャフを使ってランディングしているのか知りませんが、テレビでこういった対応をとられるくらいには時代遅れな行為のようですから、ギャフ使っているような船は、ちょっと考えてみた方が良いのではないでしょうか。