釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

『北海道トラウトフィッシングツアー 2018』⑪ 番外編 忠類川のサクラマス

9月になってもお会いするとは。

f:id:nyandaro:20181017133916j:plain

カラフトマスを探しながら、忠類川の河原を歩いていると、本流の脇に増水時に溢れた水が溜まった池のような場所がありました。
かなりの深さがあり、わずかに本流とも繋がっているため、水も新鮮そうに澄んでいます。

何か小魚でも居ないかな、と思い、その巨大な水たまりを覗きこんでみると、フラフラと泳ぐ黒い魚影を見つけました。

一瞬、カラフトマスかと思いましたが、明らかに違います。
真っ黒な身体に赤い帯、鼻の曲がった顔、サクラマスのオスなのです。
産卵への参加を終えて弱ったものが、増水で流されて来たのでしょうか。後は死を待つのみといった状態です。

こんな時期に、こんな下流部でサクラマスと出会うとは、なかなかの驚きでした。

 

 

15分後に自然の厳しさを知った。

f:id:nyandaro:20181017134049j:plain

その場を通り過ぎて川を渡り、釣り歩いたのですが、芳しくないので、すぐに引き返してきました。
その間、わずか15分ほどでしょうか。

川を渡っていると、浅瀬でカモメが何かを食べています。
何か黒いものを食べています。
黒いボロボロの魚です。

まさか!、と思って、先程の水たまりに足早に向かうと、サクラマスの姿は、もうありませんでした。
大きさや風貌から考えても、間違いなくさっきのサクラマスは、一瞬のうちに食べられてしまったようです。

ヨタヨタで小ぶりなサクラマスが、一瞬にして食べられてしまった現実を目の当たりにすると、とても可哀相な気もしてきます。
しかし、これが正しい自然の摂理なので、悪いことではないでしょう。

www.youtube.com

 

どんな生き物も、自然界では死んでも無駄にはならず、何かの役に立っているのです。
死んで何の役にも立たたない生き物は、町に暮らす人間くらいしか居ないのではないでしょうか。

燃やされて壺に詰められ、土に還るチャンスは無いに等しいのですから。この点では、人間は、燃やすゴミ以下の存在ということになるでしょう。


忠類川のサクラマス釣り?

昨年あたりに、この川で出会った地元のフライフィッシャーはこんな話をしていました。

「昔は、カラフトマスが、川底にびっしり居たよ」
「今はね、春のサクラマスの川だね」
「よく釣れるから、本州から来る人も居るよ」
「本州で苦労してサクラマスを釣るのが、バカらしくなるってね」

なかなかグレーなお話でしたが、当然皆さん「他の魚を狙っていて、釣れてしまったサクラマスをリリースする」という釣りなのでしょう。
秋にふらっと歩いていて、流されてきた魚を見つけられるくらいなので、沢山居るのも本当なのでしょう。

 

この話の「本州でサクラマスを釣るのがバカらしくなる」というのは、確かにそうなんだろうなぁと共感せずにはいられません。

サクラマスは北海道では、本当に狙っていなくても釣れてしまうくらいの外道であったりします。
そのような魚を狙って、魚の数より人の多いような本州で、いつ釣れるかも分からない確率の釣りをする人が沢山いることは、ちょっと信じられないことです。

だからと言って、わざわざそれを、川で釣ることが許されていない北海道にまで来て釣るのも、ちょっと信じられないことです。

どちらも、自分とはあまり縁の無さそうな釣りの世界ですが、どちらかの釣りをすることを選べと言われたら、決まりを守って夢を追う、本州のサクラマス釣りを選びますね。


Googleに忠類川と打ち込むと、「忠類川 サクラマス」と候補が出てきたりもします。
わざわざサクラマスを釣りに来る人が、沢山いるというのは、本当なのでしょうか。
私は、なんだかなぁと思わずにはいられません。