釣りにゃんだろう

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ビーサンフィッシング。

川岸の木陰に荷物を放り投げ、お疲れのメンバー全員がバラバラに寝転んでいると、「本当に今日帰りたいか?」と、ハンサム君が確認をしてきた。

なんだか悪い気もするが、急に予定を変更してきたのは向こうなのだし、遠慮なく帰ることにする。
ハンサム君の父親も着いてきてくれると言う。

 

 

「じゃあ、さっさと帰ろうか」、とはいかないのが、この場所ののんびりとした生活のリズムで、全員木陰で蚊に刺されながら、ゴロゴロだらだらとしている。

ハンサム君の父親が、ハイチュウのようなお菓子を配ってくれたのだが、ガイドにあげる時に、とっさに目の前を飛んでいた虫にすり替えていた。

ガイドは、よく見ずに受け取り、「ありがとう」と口にしようとしたが、ギリギリで気づいて、慌てて投げ捨てる。
みんながその様子を見ていたので、その場は爆笑の渦に包まれる。
こんな感じで、異国の僻地で仲良く陽気に過ごせていると、とても充実感を感じてくる。

 

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ハンサム君の父親がようやく立ち上がると、ちょっと釣りをすると言う。
スニーカー掃きで、岸からシュッと1投すると、さっそくレノックが釣れて、僕が写真撮影に呼ばれることになる。

3匹ほど釣ると、今度は僕にやってみろと言う。僕は、ビーサンのまま、ちょっと投げてみる。

 

 

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期待通りに1投でレノックが釣れる。
やはり、曲がる竿で釣るのは気持ちが良いものだ。キャストもしやすいし、そうそうバレることもないし、小さい魚でも楽しめるし。

3匹目には、ゴンゴンゴンと、ちょっと引きの強い魚がきた。ジャンプした瞬間に、ハンサム君の父親と僕は同時に叫ぶ。
「タイメン!」

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同じ40センチほどのサイズでも、引き方がかなり違うから、魚というのは不思議なものだ。


それからも、レノックとタイメンを何匹か釣ると、さすがにアタリは遠のいていった。

サイズに拘らなければ、こんなに簡単に釣れるのだから、これで満足できれば良いのだが、幼稚で未熟な僕の心は「130センチだ、140センチだ」と、貪欲に大物を求め続けている。
いつかは、このお父さんのように、気軽に釣りを楽しみ、息子に大物釣りを譲るくらいの心の余裕を持てる日は来るのだろうか。

 

 

それにしても、ハンサム君の父親のロッドの先にぶら下がっているのは、だいたいいつでも同じルアーだ。
それだけで、驚異的なヒット率を叩き出している。

これは、日本ではあまり売っていない、Salmoというメーカーのプラグで、ラパラと同じようなウッド製の、愛くるしいルックスのものである。

僕は、このメーカーのものは、管理釣り場用にしていり極小の物を一つ持っているだけなので、日本に帰ったら、なんとかして数種類入手したいものだと思う。

それくらい、魚影が濃いにしても、このプラグの釣れっぷりは凄かったし、やっぱり安っぽいおもちゃのような、日本のプラスチックのプラグとは違うのだと、思いしらされた。