釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

モンゴルには森が乏しいのに、なぜ川には魚が豊富に生息しているのか。

川に魚が豊富に生息するためには、豊かな森が必要だと思う。

簡単に説明すると、森の栄養分が川に流れ出し、プランクトンが増え、プランクトンを食べる生き物が増え、それを食べる小魚が増え、小魚を食べる大魚が増えるといった仕組みである。

 

f:id:nyandaro:20180517204006j:plain

 

それなのに、魚がよく釣れるモンゴルには、あまり森がない。フライを落とすと、グレーリングが無限に釣れ続けるように、魚はたくさん居るのにである。

モンゴルで森を見るには、ウランバートルから、丸一日以上車で走り続けるか、国内線で地方都市に飛ばなければならない。
これは、ちょっと日本から馬に乗りに観光に行ったくらいでは見られるものではなく、釣りやディープな旅をした人の目にしか入らないものだ。
普通に4泊程度で観光旅行に行った場合に目に入ってくるのは、ひたすら草原が広がっている光景だ。

 

f:id:nyandaro:20180517203642j:plain

 

この草原というのが、またイメージしているものとはちょっと違ったりもする。
普通、草原というと、公園の原っぱのように、ふかふかとした土の上に草が生えている気がするけれど、モンゴルには土があまりない。
石の多い固い地質の場所が多く、ふかふかとは程遠い、あまり栄養の無さそうな荒れ地ばかりだ。

だから、大草原は、木が生えないほど環境や気候が厳しい場所であり、豊かな自然というより、厳しい自然といった言葉がピッタリだ。

さて、こんなに厳しい環境なのに、川に魚が豊富に居るのは、どうしてなのか。
ろくに自然科学の知識もない僕が、空っぽの頭で風に吹かれて釣りをしながら考えてみたところでは、二つほど理由を思いついた。

 

f:id:nyandaro:20180517203747j:plain


一つ目。
上流部の周辺の森からの栄養分で、川は豊かに保たれている説。

ロシアとの国境付近まで行くと、荒れ地の草原ばかりだった土地も、さすがに森が深くなってくる。奥の深いタイガの森だ。
これらの場所から、流れ出ている川は多いので、川の栄養分は、大半が上流の一部だけの森からで賄われているのかもしれない。

しかし、この説が正しいのなら、川の水の色が、同じようにタイガの養分が豊富に流れ込むシベリアの川と同じように、飴色をしていても良いのではないだろうか。モンゴルの川は、そのような色をしていないのは、どうしてなのだろうか。

 

f:id:nyandaro:20180517204211j:plain


その2。
そもそも豊かな川ではない説。

長い間、あまりに人間が手をつけずに、開発なども進んでいないため、魚がたくさん居るだけで、そもそもそこまで良い環境ではないのかもしれない。

これが本当だとすれば、かなりの勢いで世界中から釣り人がやってきている現状では、魚があまり釣れなくなる日も遠くないのではないだろうか。

また、砂漠化がかなり進んでいて、毎年かなりの数の川や湖が消滅している、という話も聞く。
このような状況では、いつまでも魚が釣れ続けるという安心感は、どこにもないのではないだろうか。

 

だとすれば、釣りをしたかったら、いつかより来年、来年より今年、今年より来月と、焦る必要があるのではないだろうか。

こういった環境の悪化は、おそらく世界中の釣り場にも言えることだろう。
何か気になっている釣り場や、夢の魚が居るなら、時間は一刻も無駄にできないほど、この星は切迫した状況なのだと思う。

このちょっと古い流行語は、釣りにもぴったりと当てはまると思う。

「いつやるの? 今でしょ」