誰が言ったか、「イトウ釣りはポイントだ」という言葉があります。
これは、あまり釣ること自体は難しくなく、場所が重要だという意味でしょうか。
確かに、何十年も前から有名なポイントで、今でも変わらずに釣れている場所が何ヵ所もあります。
イトウは、毎年同じ時期に同じように姿を現す傾向が強い魚であり、場所が重要であることは確かなようです。
しかし、いくら「イトウ釣りはポイント」だと言われても、初心者や道外からの釣り人には、その肝心のポイントが分りづらく、途方にくれることもあるかもしれません。
今回は、そのような方たちのヒントとなるような情報をお伝えしましょう。
イトウの釣れる川・湖
イトウの釣れる川と言えば、過去には尻別川がもっとも有名でした。
道内では比較的温暖な地域であり、成長が早かったことも手伝ってか、かなり巨大なイトウが釣れていました。
1957年には、157センチのイトウが釣れた記録があります。(ちなみに、1937年に十勝川で網にかかった210センチのイトウが日本記録だと言われています)
しかし、その後、開発が進み生息環境が悪化した尻別川では、イトウはほぼ姿を消しました。
現在では、イトウの生育できる環境を整備し、川から保護していた魚の子孫を再導入され、わずかに命を繋いでいます。
このような状況ですから、現在では尻別川でイトウを釣るのは難しいですし、あえて積極的に狙うべき環境でもないでしょう。
では、現在でも、それなりにイトウの生息している場所はどこなのでしょうか。
それは、主に道北や道東のエリアとなっています。
実際に全部の場所で釣ったわけではないので、適当に「イトウが居るんではないかな」と思いつく川や湖をあげてみますと、
猿払川、狩別川、猿骨川、頓別川、知来別川、声問川、天塩川、サロベツ川、朱鞠内湖、雨竜川、金山湖、別寒辺牛川、風連川、春別川、釧路川、床丹川、当幌川、標津川、などなどでしょうか。
繰り返しますが、これらの場所はあくまで 「居るのでないか」と思うだけであり、どこでもウジャウジャ居るよ、バリバリ釣れるよ、というわけではありません。
中でも、小さな川やマイナーな場所に釣りに行くと、元からそこで釣りを楽しんでいた縄張り意識の強い釣り人々と、トラブルになることがあるかもしれません。
イトウの保護の観点からも、生息数の安定していないようなマイナーな場所には、あまり釣りに行くべきではないでしょう。
そもそも、そういった場所では釣れる可能性もかなり低くなります。
ではこの中で、みんなで仲良く、簡単にイトウ釣りを楽しめる場所はどこなのか、と考えてみると、以下の三つに絞られるでしょう。
この三ヶ所ならば、比較的安定してイトウが生息していますし、いくらでもポイントが公開されているので、気兼ねなく釣りをすることができます。
とは言っても、イトウは稀少種で、その存在は崖っぷちの上に成り立っており、保護に尽力している人も少なくありません。
ですから、その場所の遊漁規則やルールを守った上で、さらに自分の考えられる最良を尽くし、釣りによるダメージを減らすことが求められるでしょう。