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カーディナル C5

f:id:nyandaro:20180527104621j:plainカーディナル C5は、80年代中頃にアブから発売された、ブラック一色のクールなリールです。

 

名古屋製だもんで。f:id:nyandaro:20180527104707j:plain

このシリーズは、C3、C4、C5と3サイズが展開されていて、このC5が最大のサイズです。
ただし、ボディはC4と同じものが使われていて、ローターやスプールのサイズが違うという仕様になっています。

ギア比は、1:5.1
6号ラインが、140メートル巻けるサイズのスプールです。
淡水で大きな魚を狙うには、ぴったりのサイズなのではないでしょうか。

インスプール時代のカーディナルと、大きく違うことは、アウトスプールであることと、ストッパーがサイレントであることでしょうか。
古いリールを使ったことのない人でも、すんなり馴染める仕様だと思います。

アブのリールですが、日本の名古屋で製造されていたそうです。
実物を手にしたことのない人は、黒い樹脂製の安っぽいリールだと思われるかもしれませんが、実物はガッシリとした金属製で、しっかりとした作りのものです。
ただし、一部分を除いては。。

 

時限爆弾式ベールスプリング。f:id:nyandaro:20180527104823j:plain

このリールのベールスプリングには、耐久性の低い2回巻きのトーション式のスプリングが使用されています。
これは、現在のリールに使われている、耐久性の非常に高いコイル式のスプリングが、特許の関係で使えなかったのが原因だと思いますが、2回巻きとは、なんとも心細いものです。

同じようなスプリングを使っている、ペンのスピンフィッシャーは、もっと巻き数も多いものが使われています。

 

カーディナルC3のベールスプリングが、新品から折れるまでのベールリターン回数を実験したデータを見たことがありますが、なんと3500回でした。
これでは、一週間も釣りをしたら、折れてしまう数字ではないでしょうか。

 

C4やC5のベールスプリングの方が、大きくて耐久性がありそうですが、それでも不安でいっぱいです。
これほど「どうしてこうなった?」という言葉の似合うリールを、私は今まで手にしたことがありません。

幸い、須山スプリングという会社が、このスプリングを売ってくれているので、予備を簡単に手に入れることはできます。
C5のベールスプリングは、C4と共通ですので、C4用を買えば問題ありません。

 

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この弱点さえなければ、サイズ、ルックス、サイレントストッパー採用など、個人的にはかなり理想に近いリールです。(インスプールなら言うことなしだが)
ただ、この不安がある以上、予備のスプリングを持っているとは言え、あまり本気の釣りに持ち出しにくいのが実情です。

ちょっと数時間釣りをするような時に使い、小さなイトウを何匹か釣った程度で、まだベールスプリングが折れるほど使い込めていません。

こんな中途半端な使い方をしていると、「ホントに折れるのかなぁ」と不安が和らぎ油断しがちになってきますが、今でもこのリールを使う時は、なるべくスペアのスプリングとドライバーを携帯するようにしています。
なんとも手のかかるリールなのです。